2016/03/03

なぞのなぞ

いろんな本からの読みかじり。

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① 今から1万5千年以上前、最後の氷河期のころ、ユーラシア大陸と北米大陸を結ぶベーリング海峡は、極端に浅いためほとんど陸続き状態となっていた。
かつ南方からの暖流しか入ってこなかったため、凍えることもなく歩いて渡ることが出来た ─ とされる。

そんな陸続きをたどって、モンゴロイド人種がユーラシア大陸から北米大陸へと渡り、インディオ、インディアン、エスキモーになった。
…という想定には、ひとつ大きななぞが残されている。
それは彼らが移動の過程でどうやって燃料を確保していたのか、どうして人種ぐるみで未知の大陸へ移動出来たのか、ということ。

勝手な想像だが、じつは氷河期にもそれなりの木材がたくさん有って、ちゃんと暖をとれたのではないだろうか?

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② なお、この地続きの海峡を越えて移住していった(とされる)モンゴロイドのうち、エスキモーだけが犬を使いこなしていた。
犬は古代エジプト文明で人間との共存が始まったとされる
─ と、いうことは、犬を知らなかったインディオやインディアンはエジプト文明以前に北米大陸に移住したことになり、エスキモーだけがそれ以後に渡ったともいえるのでは。

ちなみにユーラシアからの移住者で一番古いとされるのが南米のインディオで、血液型はほとんどがO型であり、次が北米大陸のインディアンでA型が混じり、エスキモーにいたって初めてB型が混じる。
したがい、これらの移住期にはかなりの時間的なずれがあると想定される。

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③ ラクダはもともと北米大陸に居たのが、なぜかユーラシア大陸に入り大型化した…と思えば南米へわたったラクダはリャマやアルパカになった。

北米大陸では、どういうわけかラクダが絶滅した。

こんなことを考えると、人類がユーラシアから北米へと一方通行で渡っていったという説すらも疑いたくなる。

関係ない、かもしれないが、ジプシーはインド北部から出てきた民族と想定され、なぜかヨーロッパ方面のみに向かって移住を続けていった。
自称・エジプト系ゆえにジプシー、こんなだから彼らのルーツを探るのは余計に困難となっている。

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④ アイヌの霊世界が、日本文明の原形である、との説は根強い。
神(カムイ)も人間も動物もみな共通している(いた)という。
一神教の世界とは全く異質であり、なるほど日本的ではある。

日本語には「擬態語」が極めて多いが、アイヌ語にも擬態語は極めて多く、この傾向は他の周辺諸国ではみられない。

なお、アイヌには極めて鋭い感受性があり(あった?)、数日後に誰が訪問してくるかをあらかじめ察知出来るという。
その訪問者当人すら、予定を立てていないのに、である。

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⑤ タバコは、つくづく不思議な嗜好品である。
ニコチンは興奮作用を持つのに、飲用者の用途はリラクゼーションである。
この不思議な効用の研究者の名前を冠し、「ネズビットの逆説」とも言われるそうな。
どうも、タバコには外部刺激に対して体内に耐性をつくる効果があるらしい。

アイヌ人の世界では戦争が極端に少なかったが、それはタバコを吸うことでケンカを回避してきたため。

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⑥ アラビア数字 (0~9) はかなり古くからヨーロッパでも知られていたが、なかなか公用としては広まらなかった。
それどころか、14世紀にはいったん禁止されるほどであった。

アラビア数字が忌避された理由。
従来のローマ数字 I, II, III .... XI, XII などは変造しにくいが、アラビア数字は1と7と9などいったん表記された数字を簡単に偽変造が出来るから、というもの。
数字の偽変造などを疑ったヨーロッパが不道徳だったのか、それともアラビア数字そのものが不道徳だというべきか。

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⑦ カバラの数字というものがある。
カバラとは、もとは古代以来の一種の密教で、12世紀ごろからフランスやスペインでユダヤ人によって体系的に確立されたと言う説も根強いが、定かではない。
やがてこれがキリスト教世界に広まると、日常の数字に独特の「裏メッセージ」を与えつつ仲間内だけで分かち合うという暗号性、いわば魔術性へと畏怖を増幅させるようになった。

タロットカードやオカルト伝奇なども、カバラが用いた数字やその裏メッセージから発展したものとされる。

それどころか、カバラの数字は今でも独特の演算法則を有し、一見するとただの数字でもカバラの仲間内の演算によれば重要な陰謀メッセージとなっている
─ などという陰謀伝説を信じている人々が今も欧米などには居るそうで。

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⑧ オスマン帝国、セリム1世やスレイマン大帝の時代に活躍した海軍のピーリー・レイース提督は、多くの地図(海図)を残している。
その中には、コロンブスの航海以前の大西洋のものも含まれており、さらにコロンブス自身がそれを「航海以前から」持っていたのでは、との説も根強い。

しかし、とりわけ驚くべきことには、これらレイース提督が作成の地図の中に、なんと!南極大陸を記したものまで有るという。
オスマン帝国だのコロンブスだのの時代に、誰が南極大陸の存在を知り得ようか??

また、レイース提督自身はこれらを作図した際に、「古代アレクサンドロス大王の時代のものを参考にした」 などとメモっていたらしい。

なお、こんなすごいレイース提督だったが、スレイマン大帝の不興を買って処刑されてしまった。
いやもう、ここまでくると、なんだか訳の分からないミステリーミングルポンチである!!

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⑨ 大航海時代のスペイン人が、南米のどこかに 『エル・ドラド』 という黄金郷があると信じはじめた。
黄金で着飾った人々の伝説などなど、その未知へのロマンはどんどん増幅し、多くのヨーロッパ人がエル・ドラドの黄金を求め、南米の 「いたるところ」 を探しまわった。

彼らがあまりにも熱心に探検ルートを残したおかげで、19世紀になってドイツのフンボルトが 「そんな黄金郷はない」 と断言した時には南米大陸のほぼ全貌が明らかになっていた。

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⑩ いわゆる 「ホープ・ダイヤモンド」 は、皮肉なことに世界史上でも最も不吉きわまるダイヤモンドのひとつ。

あるフランス商人がインドから巨大なダイヤモンドを調達し、太陽王ことルイ14世に献上した。

ルイ14世は大いに喜び、このダイヤモンドをハート型にカットさせたと言われるが、一方でこの商人はそのご不慮の死を遂げた。

やがてこのダイヤモンドはルイ16世とマリー=アントワネットのもとへ譲られるが、2人とも革命で惨死した。
革命のどさくさでロンドンへと渡ったこのダイヤモンドをホープという銀行家が買って、ホープ・ダイヤモンドと名付けた。

20世紀初頭に、このホープ・ダイヤモンドはある宝石商のもとへ売られたが、その宝石商は破産し、次の買主の宝石商はピストル自殺した。

さらに所有者はロシア貴族となったが、彼は愛人を射殺し、のちに革命で殺された。
さらにその次の所有者はギリシアの宝石商で、崖から転落して死んだ。
次は破綻寸前のオスマン帝国のスルタンだったが、退位させられた。

それから、このホープ・ダイヤモンドは、アメリカ大新聞系のマクレーン家の跡取り夫婦エドワードとエヴァリンのもとへやってきた。
まず、エドワードの母が死に、それから召使が立て続けに死に、さらにエドワードの息子も事故死した。
一人娘も睡眠薬を飲み過ぎて死に、エドワードは頭がおかしくなって死んだ。

どこまでが本当かは、分からないが。


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⑪ 19世紀末に英国で出版されたある小説は、タイタン号という架空の豪華客船のもの。
大西洋を航行する上流階級向けの客船で、氷河にぶつかって哀れ沈没してしまうというストーリー。
そのさいに救命ボートが足りなかったという設定だった。

やがて20世紀にはいり、ほぼ同じ規模・仕様の豪華客船がタイタニック号と名づけられ、航行中に氷河にぶつかって沈没、しかも救命ボートが足りなかった ─ という悲劇の現実は周知のとおり。

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⑫ アメリカ第2代大統領のアダムスと第3代大統領のジェファソンは、偶然にも同じ1826年7月4日に亡くなった。

なお、第5代大統領モンローが亡くなったのは1831年の7月4日である。

以上