2012/01/18

クロスワード


どの「女たち」のブログにも、非常におもしろい共通点がある。
ずばり、食べ物の画像がものすごく多いということである。
女たちが撮影する画のうちどのくらいが食材なのか、それは分からない。
でも、ネット投稿画像の90%以上は食材じゃないか?

もちろん日本人だけではない。
アメリカ人やフランス人のブログでも、女たちはとにかく食材の画をやたらめったらと載せている。
これから食べる食材の画、もう食べちゃった料理の画、どっちも多い。
こういうものをひたすら見せつけられると、それこそ食傷気味になる。

いったい何故なんだろうか、と考えてみる。

なるほど、食材はどうぶつのように逃げたりせず、植物のような撮影センスも問われないから、女たちでも安心して撮影出来るのだろう。
しかし、そんなものをわざわざ投稿する理由は、むしろ食材の情報交換が女たちの間で極めて重要であるからに決まっている。


男だってもちろん蒐集癖はあるし、著名人の切手の画、スポーツ選手の画、特定スペックの機材システムの画などをものすごく集めては投稿しまくるやつもいる。
しかしそれはあくまで、ファン(マニア)同士が楽しむためのもの。
だが女たちがネットにひたすら投稿している喰い物の画は、ファンのためでもマニアのためでもなく、みんなのため…
そういうことなんだろうなあ。

男が初めて異国を訪問するにさいして、一番気にすることは、そこの政体や法律はどうなっているのか、インフラはまともなのか、経済は安定しているのか…といったところ。
だが女たちの場合、そこの連中がどんなものを喰っているのかが最大の関心ごとなのかもしれん。
これはじつは巨大な真理で、食材をみればその国の水準も分かるもの。


関係あるかどうか、分からないが、女たちはクロスワードパスルが好きである。
あんなものただのヒマ潰しだと思うのだが、そのヒマ潰しを女たちは延々と続けている。
特に年輩の女性たちは一日中やっている。
しばらく以前にロンドンの事務所に短期駐在したことがあったが、その時に庶務のおばさんがやはり一日中クロスワードパズルをやっていた。
そんな本どこで買ってくるのか、と聞くと、ロイズだのテスコだのでいつでも売っているのだと言っていた。

翻って日本でも、クロスワードパズルはそこら中で売っている。
ベストセラー本は、実はクロスワードパズルの本じゃないかな、と思う。
あれ、どうやって作成しているのかなぁ、と時折考えるが、それ相応のソフトがあればなんぼでも作成出来るのだろうな。
初めもないし、終わりもない、問題提起もないし結論もない。
きっと収穫逓増型ビジネスの典型なのだろうな、パズル作成はいくらでも自動化が進み、そしていくらでも売れるだろう。
グッジョブ。
だから女性向きなのか。
クロスワードパズルも、食材情報と同じで、少なくとも女性たちの知識の再確認の役には立っているのだろう。
そう理解するしかない。


受験期の女の子たちは、英単語や漢字のストック 「だけ」 なら間違いなく男子よりも多いように見受けられる。
好き嫌いは、いけませんよ、という母の小言が思い出されて、時々うんざりすることがある。
少しは好き嫌いしなさいよ、見ていて不気味でたまらないよ、女性諸君。
…と言いたくなるのだが、女子生徒たちにとっては単語や漢字や食材に好きも嫌いも無いのだろうか。
子供のころなど、百人一首に参加させられた時、女子ばっかりが「ハイ!」「ハイ!」と札を奪っていきやがって、面白くも何ともなかった。
誰があんなもの発明したんだ。
和歌の本意の吟味・斟酌もせずに、「ハイ!」「ハイ!」 って。
そんな女たちが、クロスワードパズルで 「ハイ!」「ハイ!」 と単語を埋めていき、ネットのブログに食材の画を 「ハイ!」「ハイ!」 とペタペタ貼り続けている。


男は 現実→意義→目的 という具合に、縦の積み重ねで考える。
だが、女たちは、たぶん、現実→現実→現実→現実……と、どこまでも現実の横展開だけで考えている。
─ いや、たぶん考えてすらいない。
ともあれ、横展開だからこそ、「女たち」 などと複数形で扱ってしまいたくなる次第。 

以上


謝辞

ここに提示の記事は、いずれも私自身の判断責任のもと編集・投稿したものです。

大半の投稿は学生など若年層向けを意図してやや平易な表現にて、一方では通俗性を極力回避しつつ、論旨の明示性を意図して書き綴りました。

あわせてまた、社会人の皆様にお読み頂くことも想定しつつ、汎用性高い観念知識を相応に動員しながら記した積もりです。

私なりの思考着想によるささやかな閃きが、皆様の諸活動にて何らかの光源たり得れば、望外の喜びであります。

山本