2025/11/23

Think Big (4)


とくに若手社会人や学生諸君向けに、ちらっと再開したくなった。
理系にも文系にもあまり偏らせてはいない ─ むしろ現下の世界情勢をふまえれば、両者ぶっ続きで考えるべきではないかな。

=====================================


・H.G.ウェルズが著した『奇跡を起こした男』は、SFのひとつの端緒。
論理(言語)が物理(実体)を支配してしまう皮肉、その恐ろしさを綴ったもの。こういう着想は一神教圏ならではか。

※ ちょっと似通っているのが筒井康隆の『熊の木本線』などだが、こちらはむしろ言霊信仰を論っているようでもあり…
では芥川龍之介は、太宰治は、江戸川乱歩は、小林秀雄や三島由紀夫は、言語が実体を支配しうる恐ろしさをどう捉えてきたのだろうか?
なお星新一などはぐっと理系型だったので、言語が実体を支配しきれるわけがないだろうバカだなみんなあっははははと


・さまざまな物質/エネルギーのアナログな「連続量」を、とことんデジタルに微分してゆけば、粒子になり量子になり次元が落ちて情報になり、ただの「数」になる。
この量子的な’数化’が人間の基本論理かどうか…そもそも論理そのものが何某かの直観なのか…


・宇宙あまねく自然物もエネルギーも、アナログ連綿に連なる実体「量」。
だが人間だけはこれらを微分して燃焼させて、無機のデジタル「数」に変換してしまう。
おかげで万物は価値「数」であり権利「数」であり多「数」決であり…
…という人間の本性を、AI自身はボトルネックと見做すのかな?


・宇宙の万物はアナログに連なって連続運動と作用反作用を為しているが、人間の脳神経はデジタル微分の静的な’数化’に陥りがち ─ この分断が文明のリスクである
…というのが養老孟司氏などの指摘。
しかしもしかしたら、デジタルで静的な’数化’と操作こそが人間のやっかいな悪癖ではないかという気がしている昨今ではある。


・人間の本性はデジタル志向(思考)かどうか。
物理「量」のSI単位画定はどうなのかな。
たとえば電気素量e、クーロンC、アンペアAなど…。
また、状態方程式における物質量(エネルギー単位)をモル数でなくアボガドロ定数とボルツマン定数によって画定するのは、アナログ志向かデジタル志向か?


・何らかの実体「量」を「数」に置き換えるのは人間ならではの智慧という。端的には言語や通貨や徴税のシステムですね。
しかし逆に、カネや偶像や情報としての「数」を元の実体「量」に戻せるものかどうか?
出来ますよというのがピラミッド数学のメッセージか?
或いは、出来ませんと警告しているのか?


・人間の脳神経はアナログにつながる物質であるので、人間の思考もアナログにずーっと連なっているのだろうか?
とすると、人間が’時間’の同期をわざわざ設定している理由は?
…こんなこと考えると、やっぱり人間の本性はデジタル離散/局在的な思考と記憶で、だからこそコンピュータを閃いたという気が

(思考はぐるぐる回り、ふっと離散し、またくっついて、アナログな満ち潮とデジタルな引き潮のごとく)


・宇宙のどこかで何らかの粒子が 「ほんの一瞬だけ」 「運動を停止した」 とする。
これを人間が物理的に観測し、さらに微分数学をつきつめて表現出来たとして、「あ!停まっている!」という人間側の思考は一瞬の直観に過ぎない
─ とするとだよ、’この一瞬’にては物理も数学も直観も同じ思考ビットであると言えまいか。


・中世スコラ学の’普遍’論争にて。
『万物を超越した神=普遍』が;
①宇宙に実在しうる
②いやあくまで人間論理にすぎぬ
ここが論争されたという。
なるほどね。では「数学」はどっち側だったのだろうか?
ここまで踏み込んで考えないと学問とはいえない。だから現行の世界史は学問ではないとはははは


・さまざまな生物種が体細胞物質のエントロピーを増大させ尽くさぬよう、他所から入ってくるウイルスが新たな経路スイッチングをもたらす。
一方で、核反応技術はむしろエントロピー極大化遂行の一途となるのかな?
核分裂もさることながら核融合で雇用が増えるか減るか、、人口はどうなるのか。



・ここに一枚のお皿があるとして、これが重力(など)の作用によって床に落下し、バラバラに割れる。これでエネルギー/仕事が終わる。
それら割れた断片同士が、新たなエネルギーを得てぶつかり合い、更なる大激震を為しうるだろうか?
プレートテクトニクスの連続による大地震説が理解できない理由。


・もともと地球を成す何らかのエネルギー/仕事が「結果的に」プレートを形成したのであって、そのプレート同士が引き続き新たな仕事を成すわけではないのでは?

既存のプレート同士がどんどん相乗効果を起こして「新たな地震」を起こすのなら、地球を成す全プレート同士が呼応しあって超スケールの巨大地震を起こすこともあるのか?そうやって更に超エネルギーのプレートが其処かしこに形成されるのか?
エネルギー保存則は?


============================


・「仕事」とは何か?
物理上の「仕事」はモノ(慣性質量や重力など)の運動と方位距離から定義される。エネルギーそのものともされる。
経済学上の「仕事」はカネまわしの量と速度。


・物質と物質をぶっつけ合い反応させ合いさまざま変位させる ─ これを物理上は「仕事」という。
人間行為としては、ビル建設もコメ栽培も家事も出産育児も「仕事」である。
とくに女は生活これすべて「仕事」という。

ところがカネ貸し経済学はこれら「仕事」を「生産」と「消費」に強引に分類し、所得格差と富の不均衡を論い、皆さんもっと「消費」をしましょう(カネを借りろ)という。
それでも、一流のエコノミストであれば、ぐっと包括的にもっと「仕事」をしろと指摘する。


・大谷翔平や山本由伸は試合中は生産者だが、家でゴロゴロしていれば消費者だと。
では観客や放送メディアは、そして女たちは、生産者か消費者か。
カネ(価値)を誘導する起電力が生産者で、誘導される電気が消費者か。バカみたいだ。


・東京電力とか関西電力など、いかにも最上流の「生産」型企業に見えますね。’発電’こそが最も純然たる「生産」活動に映るため。
それじゃあ’送電’や’給電’は「消費」? 
抵抗の熱利用は「消費」? そもそも一般の産業機械は?輸送機は?みんな「消費」だけか?

「生産」と「消費」は表裏一体でしょう。


・宇宙は物質同士の「均衡/循環/保存則」が同時に成立している。
戦争は軍事力の「均衡/循環/保存則」がほぼ同時に成立している。
経済は財貨とカネと人口の「均衡/循環/保存則」がほぼ同時に…?いや、これらは成立していないのでは?
ここを誤魔化すために地球温暖化と脱炭素とカネまわしの虚論をもっともらしくでっち上げているんじゃないかしら?


・ざーっと考えるに、さまざまな物質(核)における結合エネルギーと運動エネルギーさらに質量(エネルギー)の総和は変わらない ─ と。
ところが、さまざまな物価や通貨量や税額や保険料は増えたり減ったりどっかんどっかん。
こんなもの折り合いのつけようがないでしょう。人口論で帳尻合わせ可能?

原子力と経済の問題は、要するにこういうところか。
すぱっと捌けたら総理大臣よりもアメリカ大統領よりも上位に立てるんじゃないかしら(笑)


・財貨の「価値の絶対尺度」について。
① 物理上は(電子/粒子レベルでは)「価値の絶対尺度」は設定不可能。
② 数学上は「価値の絶対尺度」など無用で、金銭化も流動も複製も償却も自由自在。
ではAIは①②を統一解釈しうるか?
近未来のインフレや戦争にかかる大問題じゃないかな。



(まだまだ続く)