2012/07/18

主権と領域 (尖閣諸島問題)


以下の論点について。
予備校や学校などの教育関係者にいくら訊こうが、誰かの書いた参考書や行政書士のくだらない注釈書あたりをとんとんと指でつついて、それでおしまいになってしまう。
そんな連中から独創的な見解などとても出てきそうもないし、基本的な理念すら期待出来そうもないのだが、一方で僕自身の少し長期的な勉強課題としつつ、ここにもちらっと記しておく。

(大学の教授くらいになれば、以下のような論点に対してちゃんとコメント出来るものだろうか?
変な代議士に黙殺されなければ、いいんだけどね。)

(1) 国家の主権
日本国憲法を解釈する限り、主権 (sovereignty) の重要な存立支柱は;
対外的な independence、内部におけるgovernance、そして国民自身による排他的なdecision-making。
と、まあ、英語表現にすると(いや、戻すと)、じつに論理的に意義が伝わってくるねぇ。

これらいずれの存立事由をとるにせよ、主権はもちろん実践されてこそ初めて主権となる。
実践するためには、誰が(=国民自身が)はもちろんのこと、「どこで」 「どこまで」 も事前に定義がなければならないのでは?
当然のこと、「どこで」「どこまで」 は最小限に解釈しても「国家の領域」であろう。
だから、主権は必ず領域に則っていなければならないのではないですか?

※ 「領土高権」 なる捉え方があり、それに拠れば主権の governance  は 「どこで=領域内にて」 と見做し得るそうな。


(2)さて。
中国の侵略チームによる我が日本の尖閣諸島侵略、あるいは韓国の侵略チームによる竹島侵略について。
もちろん尖閣はこのまま静観していれば取られるし、次は沖縄、となるだろうし。
同じ理由で、竹島だって二度と帰ってこない。
したがい領海も変わる。
わが日本の主権確保のためにも、彼らを撃つか、あるいは彼らの総元締めと戦わなければならない。

いやいや、尖閣諸島くらい放棄してもよいだろう、という官僚や左翼も居るようだが、この発想は領域の放棄、よって主権の放棄。
ゆえに憲法違反そのものを導くものである!

いやいや、日本国憲法は自然法じゃなくて実定法として判断すれば、なんでも文言解釈次第で協議や改編が出来る、とか。
まあ、そんな議論だってありうるが、それにしたって主権そのものが欠落させられようとしているんでしょう?
そうはいっても、実際に憲法9条の縛りがあるので武力行使は出来ない…
…という先生方が居らっしゃるが、領域が脅かされている現状は、9条どころか憲法そのもの根源である 「主権そのもの」 の喪失危機に突入しているのである。


(3) 尤も、台湾や中国の諸勢力および侵略チームが統一された意思決定主体であるとは考えにくい。
なぜなら、どうも彼らは主権と領域を別個のバラバラに捉えているように見受けられるため。
彼らに戦時と平時の区別すらないように見受けられるのも、彼らが主権と領域をバラバラに考えているからでしょう?
呼応して「尖閣や竹島なんか、あげちゃえよ」 と言っている官僚や左翼も、きっと同じ。
それが移動型民族というものですよ、と社会学で解説してみたところで、主権と領域を一体として捉える我々には何の救いにもならない。

ただ、我々は主権を守ると主張しつつ、中国チーム(および左翼チーム)の総元締めをちゃんと見極め続けていけば、まだトータルな議論の余地が残されている、と信じたい。
主権と領域を別個に捉える彼らと、主権に領域を含める日本は、「全面戦争」にはきっと発展しない。

では韓国チームはどうか。
中国チームよりは主権と領域について鋭敏じゃないかな…と期待したいけれど、でもそうは考えていない人たちもうろうろしているようで。
ただ、韓国チームが日本と全面戦争をする意思は、もっと小さい。
だって日本の産業が矮小化すればするほど彼らのダメージが広がる一方であって、そんなこと彼らは我々以上に分かっているから。

ともあれ。
憲法の根幹が主権にあり、主権の実践には領域が不可欠、と強引に突いていけば、或いは戦っていけば、我々はもっと強圧的に侵略チームを押し返すことが出来ようもの。

さあ、どこか狂っていますか?

2012/07/07

偏差値3000


ある特定の光、エネルギー、そのスピードとその配置。
感受することが出来るのは、限られた人々だけ。

これは特殊な能力なのだろうか?

逆だよ、逆。
もともとは、あらゆる生命が、宇宙のあまねくエネルギーを感受していたはず。
だが一方で、それらを感受出来ない種族もいて、そいつらはおのれらにて通じ合うもののみを共有図ってきた。
彼らはその過程でさまざまなものを記号化し、数量化し、言語化し、概念化してきたわけさ。
そして、それに適合した種族こそが時代とともに増えていった ─ 
それこそが我々人類なんだよね。

うーむ。
きっと、そうに違いないね、哀しい進化論、というよりは退化論だなぁ。
でも哀しいってことはないだろう、何でも記号化し概念化してきたからこそ、今の我々の技術文明があるんだ。



こんな具合に、ロケット乗組員たちが談笑していた。
そのとき、宇宙の遥か遠方にて何らかの波長が微かに変わった。
一番年下の乗組員の青年がそれに気づいて、皆に伝えた。
「おい、おまえよ」 と同僚たちが呆れた声を挙げた。
「訳の分からないことを言ってないで、動力系の確認を続けろ!」


そのとき、別のロケットに搭乗していた一人の観測員の娘も、遥か遠方において何らかの波長が微妙に変わったことに気づき、その旨を口にした。
「あなた、疲れてるんじゃないの?」 と同僚の女性が呆れ声を挙げた。
「通信系の精度確認しっかり頼むわね、ノイズ発生率は常に最小限に抑えないと」


かくして。
遥か遠くかけ離れた2つの宇宙空間を航行続けてきたそれら2機のロケットは、互いにウンともスンとも交信を図ることなく、超演算と超物理マシンをもってすごいスピードで別々の銀河へと飛び去って行くのだった。


(おわり)
※ 星新一に触発されたもの。