感受することが出来るのは、限られた人々だけ。
これは特殊な能力なのだろうか?
逆だよ、逆。
もともとは、あらゆる生命が、宇宙のあまねくエネルギーを感受していたはず。
だが一方で、それらを感受出来ない種族もいて、そいつらはおのれらにて通じ合うもののみを共有図ってきた。
彼らはその過程でさまざまなものを記号化し、数量化し、言語化し、概念化してきたわけさ。
そして、それに適合した種族こそが時代とともに増えていった ─ それこそが我々人類なんだよね。
うーむ。
きっと、そうに違いないね、哀しい進化論、というよりは退化論だなぁ。
でも哀しいってことはないだろう、何でも記号化し概念化してきたからこそ、今の我々の技術文明があるんだ。
彼らはその過程でさまざまなものを記号化し、数量化し、言語化し、概念化してきたわけさ。
そして、それに適合した種族こそが時代とともに増えていった ─ それこそが我々人類なんだよね。
うーむ。
きっと、そうに違いないね、哀しい進化論、というよりは退化論だなぁ。
でも哀しいってことはないだろう、何でも記号化し概念化してきたからこそ、今の我々の技術文明があるんだ。
こんな具合に、ロケット乗組員たちが談笑していた。
そのとき、宇宙の遥か遠方にて何らかの波長が微かに変わった。
一番年下の乗組員の青年がそれに気づいて、皆に伝えた。
一番年下の乗組員の青年がそれに気づいて、皆に伝えた。
「おい、おまえよ」 と同僚たちが呆れた声を挙げた。
「訳の分からないことを言ってないで、動力系の確認を続けろ!」
そのとき、別のロケットに搭乗していた一人の観測員の娘も、遥か遠方において何らかの波長が微妙に変わったことに気づき、その旨を口にした。
そのとき、別のロケットに搭乗していた一人の観測員の娘も、遥か遠方において何らかの波長が微妙に変わったことに気づき、その旨を口にした。
「あなた、疲れてるんじゃないの?」 と同僚の女性が呆れ声を挙げた。
「通信系の精度確認しっかり頼むわね、ノイズ発生率は常に最小限に抑えないと」
かくして。
遥か遠くかけ離れた2つの宇宙空間を航行続けてきたそれら2機のロケットは、互いにウンともスンとも交信を図ることなく、超演算と超物理マシンをもってすごいスピードで別々の銀河へと飛び去って行くのだった。
(おわり)
かくして。
遥か遠くかけ離れた2つの宇宙空間を航行続けてきたそれら2機のロケットは、互いにウンともスンとも交信を図ることなく、超演算と超物理マシンをもってすごいスピードで別々の銀河へと飛び去って行くのだった。
(おわり)
※ 星新一に触発されたもの。