最新投稿

2017/06/26

千里眼

「ねえ、先生。ちょっとお願いがあるんですけど」
「んー?なんだ?」
「千里眼の手品をやって見せて。出来るんでしょう、先生」
うーん…いいよ、じゃあ、ほんのちょっとだけ。そら、そこに一組のトランプカードがあるね。それを適当にくってごらん」
「はい……、えーと、こんなもんでいいですか?」
「ああ、それでいい。じゃあ、それらのカードを俺に見せないまま、君のお気に入りを1枚だけ取り出して、そのまま伏せておけ」
「…ハイ」
「よし、そのカードを当ててみせよう。ハートのQだ」
「あっ!当たり!へぇーーー、どうやって当てたんですか?」
「透視したんだよ。どうだ、驚いただろう」
「…ねえ、もう1回やって見せて」
「よーし、じゃあ今度は3枚でやってみよう。さあ、カードをくって」
「ハイ」
「そこからお気に入りのカードを3枚取り出し、伏せてそこに並べてごらん…よーし、全部当てるぞ、スペードの7、ダイヤの4、ハートのA」
「わーーっ、全部当たり!先生、また透視したんですね。ふーーーん」
「このとおり、百発百中だ。見えないはずのものが、見えてしまう」
「ふーーーーーん」
「あははは、どうだ、面白いだろう。もちろんトリックだ、種は明かせないけどね」
「いーえ、トリックなんかじゃないわ。あたし、分かったんです!先生は本当に千里眼を使ったんですね。だからカードの数字を見抜けるんですね。百万回でも、百億回でも!」
なんだとっ?どうしてそんなことが君に言えるんだ?」
「どうしても」
「あっ!やっぱり、君は!」
そうよ、そのとおり。ふふっ、とっくに分かっていたくせに」
「おいっ!君はその能力で、何をしでかすつもりだ?!」
「ふふふっ、それも分かってるくせに~ ♪」


おわり

謝辞

ここに提示の記事は、いずれも私自身の判断責任のもと編集・投稿したものです。

大半の投稿は学生など若年層向けを意図してやや平易な表現にて、通俗性は極力回避しつつ、論旨の明示性を重視しつつ書き綴りました。あわせてまた、社会人の皆様にお読み頂くことも想定しつつ、汎用性高い観念知識を相応に動員しながら記した積もりです。

私なりの思考着想によるささやかな閃きが、皆様の諸活動にて何らかの光源たり得れば、望外の喜びであります。

山本