最新投稿

2018/02/17

パラパラドックス

「先生!あたし、おかしなことを閃いてしまいました!」
「あー?なんだって?」
「ほら!この数式!ねえ先生、この数式は矛盾しているような気がするんです!」
「なんだぁ?数式が矛盾しているだと?はっははは、君ぃ、バカを言っちゃ困るよ。数式は矛盾しない。そもそも矛盾しないように数学は出来ているんだ」
「それじゃあ、あたしは頭がおかしいということですか?!」
「おいおい、そう気色ばむなって。あのね、誰だって時々おかしな矛盾を閃くことがある。たしかに、その時は不安になったりもするもんだよ
「はぁ。でも、この計算式の、ここのところ、△△△△△△△△が矛盾しているような気がしてならないんですよ!あたしはやっぱり頭がおかしいんでしょうか?!」
「うるさいなあ君は。うーん、なになに?△△△△△△△△が矛盾しているだと?…あっははははは、ほーらほら、これは誰もが理解している『完全な矛盾』だよ!つまり、『数学としては何も矛盾していない』ということだ。君の頭は全くおかしくない、心配無用だ」
「はぁ、そうですか……でも!でも!それはそれでおかしなことじゃないんですか?だって、どうして矛盾が矛盾のままで…?」
「何を悩んでいるのかなぁ君は。それじゃあ、人工知能に訊いてみようか。世界の知性の結集だ。さぁ、君の気づいた矛盾、△△△△△△△△を入力すると」
「……」
「ほーら、回答を寄越してきたぞ。えーと、『永遠不変の矛盾であることが数学にて証明済みです』 だとさ。はっははは、人工知能の折り紙付きだ!いいかね、君が気づいた矛盾は、僕も知っている矛盾、みんなが分かち合っている矛盾、明日もあさってもだ、永遠にだ、だから、ね、君は何も悩まなくていいんだよ! ─ なんだその顔は?」


(おわり)

謝辞

ここに提示の記事は、いずれも私自身の判断責任のもと編集・投稿したものです。

大半の投稿は学生など若年層向けを意図してやや平易な表現にて、通俗性は極力回避しつつ、論旨の明示性を重視しつつ書き綴りました。あわせてまた、社会人の皆様にお読み頂くことも想定しつつ、汎用性高い観念知識を相応に動員しながら記した積もりです。

私なりの思考着想によるささやかな閃きが、皆様の諸活動にて何らかの光源たり得れば、望外の喜びであります。

山本