2014/11/03

元素の価格

たとえば、炭素原子1つの価格は幾らだろう?
え?そんなもの、考える必要が無いって?
なになに?価格は売り手と買い手の効用や機会についての判断で決まる?でも炭素1つだ2つだについてはそれらが定義出来ない?
わかったわかった、いいからちょっと黙ってろ。

さて ─ たとえば犬一匹の値段は?IPS細胞ひとつあたりの値段は?あるいは、人間の臓器の価格は?
これらは、なんらかの売買取引がなされる(なされうる)のだから、それぞれ米ドルだのユーロだの日本円だの換算でなんらかの価格はつくはず。
つまり、原子ひとつや分子ひとつには価格が「無い」のに、それらを膨大に組み合わせ束ねて存在する混合物としての犬やIPSには、誰かの都合によって価格がつく。
ということは、だ。
財貨の価格が人間相互の暫定的な虚構であって、本当は価格そのものには還元的な根拠など無い。

え?たとえば金属元素などには一定重量あたりの売買相場があるじゃないかって?
どんな原子の価格だって、分子の価格だって、根源的に設定出来るのだって?
じゃあ、石油やシェールガスの構成分子の単価があるとして、その一定量あたりの売買価格が年に20%も30%も変動する理由を、説明してみろ。

アダム=スミスは水とダイヤモンドのパラドックスを挙げたが、どうして日本では水が「タダ」なのか?水分子がタダだからか?
土地代が場所によって異なるのは何故か?土壌の成分とどこまで関係あるのか?無いのか?

身体を構成する原子や分子の絶対数が多い巨漢やデブは給料も税金も高いこと、また体質によって給料や社会保険料が異なること ─ これらは正しいといえる?
或いは逆に、人体を構成する原子や分子の数を算出し、それら諸々の元素や分子の単価を掛ければ、その人体に(つまり人間に)価格をつけることが出来る?
元素では不十分ですねなどというのなら、素粒子の単価あたりで計算してもいいぞ。

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人間同士が何らかの財貨に対して暫定的においた、還元的根拠の無い価格という虚構、それらの変動によって、 戦争がおこり、犯罪もしょっちゅう。
ある取引は合法であり正当であるといい、ある取引は詐欺といい刑事罰対象といい、懲罰とか空爆とかいう。
いえいえ、こういう虚構性と変動性にこそ、市場経済活動の醍醐味があるのですよ ─ といえばそれまでのこと。
ならば、経済の醍醐味には、恐怖も憎悪も殺人も戦争も含まれうるわけだな。
僕はいいとも悪いとも言ってないよ、虚構とその変動に対して、実体そのものである我々人間が、いいも悪いも判断出来るか。

ただ ─ 価格というもの、つまりカネというものが絶対の根源の無い虚構の変動であるからこそ。
人間は意思のちからだけでその虚構の間違いを修正出来る。
たとえば、中央銀行の通貨増刷を待たずとも、企業同士が相互信用にのっとってフレキシブルな事業継続が出来る。
また、政府の増税や国債発行を待たずとも、富豪がカネをぽんと市場に寄付することだって出来る。

(…用語も含め、どこかおかしいな、やっぱり。)

以上

謝辞

ここに提示の記事は、いずれも私自身の判断責任のもと編集・投稿したものです。

大半の投稿は学生など若年層向けを意図してやや平易な表現にて、一方では通俗性を極力回避しつつ、論旨の明示性を意図して書き綴りました。

あわせてまた、社会人の皆様にお読み頂くことも想定しつつ、汎用性高い観念知識を相応に動員しながら記した積もりです。

私なりの思考着想によるささやかな閃きが、皆様の諸活動にて何らかの光源たり得れば、望外の喜びであります。

山本