20歳前後というのは、顔もつるっつる、頭の中もつるっつる、樹木に例えれば一本きりの幹だ。
枝葉はどんどん増えていき、視座も意識も自由自在、だが、林や森は成していない。
むしろ、煩わしさがなくて好都合じゃないか、どこまでもたくましく伸びてゆける、最高の季節だと思うよ。
腹が立ったら思いきり怒鳴ればいいんだ、怒鳴っても笑っているやつは殴ってやりゃいいんだ、どうってことはないんだぞ。
さて。
3x4x5 と 5x4x3 はどちらが大きいか?
これが分からず、朝から晩まで酒飲んでサウナ行って居眠りしていても、年収1千万円以上の部長さんが居る。
さらに世界には、もっと無知無学なのにとてつもない資産持ちがなんぼでもいる。
そんなバカなと嘆いているうちは、子供の偏差値世界から抜け出していないね。
職能とか収入や資産などというデータや偏差値は、誰かが抽出して誰かがまとめ上げる数値、常に断片、常に恣意、よって、虚構のベキ乗のベキベキ乗モデリング、「かもしれない」。
それらに対して、価値(観)とか権利(意識)とか権威とか正当性といった空論の尺度をどれだけ発動してみても、たぶん、世界の実像を解釈することは物凄く困難だと察するんだよ。
(…といって虚無に走ってしまったら、馬鹿がつけ込んで虚構のビジネスを転がす一方だろうから、最小限の判断基準として道徳規範を教育している。)
20歳であれば、世界の実像解釈以前に、まずは「世界を成しているホンモノ」の習得に努めるべきじゃないかな。
ハードウェアを、ソフトウェアを、マテリアルやロジックを、物理現象や数学を、そして芸術やスポーツを学ぶべきだ。
市場や値段は永遠の流転、虚構にも満ちている、そんなものよりも、まずはハードやソフトの属性を学べと言いたい。
自分をリアルに作り上げるために、そうすべきだと思うよ。
なるほど、自分をどれだけ作り上げても、そのためにどれだけリアルに努力しても、自分は評価されないかもしれぬ、と恐れおののく気持ちは分かる。
でも、自分を評価してくれとどれだけ祈念しても、それは自分以外の誰かが決めること、誰かが誰かを評価してこそ、仕事があり、企業もあり、フィクションも混じり、たまには破綻もするし、戦争だってある。
だから、実在するハードやソフトにぶつかりながら自分を作り上げろと言っているつもり。
ネット三昧でもいいじゃないか、孤独な現場でもいいじゃないか、ただし無駄話にうつつをぬかすな、自分を安売りするな。
以上