「皆さん。ちょっと私の話を聞いて下さい!」
「えーっ?何ですと?…あんたはー、いったい誰なんだ?ぐぉーっ、ぐぉーっ」
「私は、探検家です」
「あーーっ?何だってー?ぐぉーっ、ぐぉーっ、すまんが、もう一度、大きな声で繰り返して下さらんか?ぐぉーっ、ぐぉーっ」
「私は探検家であり、皆さんにお知らせしたいことがある、と申し上げているのですよ!」
「あー?…んーーん、なんだか、あなたの言葉は聞き取りにくいなぁ…ぐぉーっ、ぐぉーっ」
「そうですか、ではズバリ要点を言いましょう!皆さん、私はですね、xxx元素の鉱山をついに発見したのですよ!」
「あーっ?なになに?xxx元素だってーー??ぐぉーっ、ぐぉーっ」
「そうです!xxx元素はですね、原子核の半減期が宇宙の歴史そのものを超えるほど長いものであり、したがい、宇宙のありようを調べる上で、もっとも根元的な尺度たりうるわけで…!」
「うーーむ、あんたの話はどうにも聞こえにくい…ぐぉーっ、ぐぉーっ。あのね、探検家くん、xxx元素はあっと言う間に核崩壊を起こして変化してしまう、じつに不安定な物質だよ、あっははは。ぐぉーっ、ぐぉーっ」
「ばかな!何が不安定なのですか?何があっという間なのですか?!」
「あーーっ?……君こそなにをニャォニャォと言っているのか…どうも聞き取りにくくていかん…。ねえ探検家くん、この宇宙は君の想像よりも遥かに深くて遠大なものなんだよ。もっと大志を抱きたまえよ、ぐぉーっ、ぐぉーっ」
「何が大志ですか?!僕はいつだって、おのれの想像力に挑戦するほどに全力をふり絞って、精いっぱいに生きているんだ!うむっ、あんたたちこそがおかしいんだ!」
「……なんだか、どうにも分からんな君は……さて、わしらはそろそろ昼寝の時間だ、もうつまらん話で煩わせないでくれよ。じゃあ、おやすみ……ぐぉーっ、ぐぉーっ、ぐぉーっ、ぐぉーっ、ぐぉーっ、ぐぉーっ、ぐぉーっ、ぐぉーっ……」
(あはははは)