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2018/07/06

英語は数学にも似ている ?

そもそも、電気関連産業の経験者は概して英語表現が上手いとの評を、僕なりに以前から聞いている。
その理由を察するに、ひとつは、先に何度か挙げたように物理学の思念や着想が現代英語とかなり重なっているからであろう。
だがもうひとつは ─ 特にいわゆるITやIoTにて普及している数理表現についてであり、これらは法務や会計やジャーナリズムの英語表現とも相まってビジネス界に普及しており、だから、これらの分野をかじった経験者であればビジネス実務上の英語表現にそこそこ熟達しやすいのでは、と考えている。
(なお英語表現とはいっても、必ずしも会話能力を指すわけではないし、また僕自身が電機メーカに居たからといって取り立てて英語通とは自覚していない。)

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以上のように話を誘導してきた上で、さて、数理表現≒ビジネス一般表現においてよく用いられる英単語を、思い当たるままに以下列記してみた。
(品詞分析については考慮せずに記した。名詞と動詞にてあまり実践的な区別が無いためである。)

system : ~系、系統、運動体系
principle : 公理
theorem : 定理
proposition : 命題
definition : 定義
entity : 現代英語における最重要単語のひとつ。何らかの形で実在するもの。何らかの'system'や'model'の構成要素のこと。法人企業も指す。
number : 数字、数字表記。なお 'odd number'が奇数で 'even number'が偶数、'real number'が実数で 'imaginary number(part)'が虚数である。
symbol : 記号、符号
shape : 形状、…形
dimension : 次元のこと。また次元を上げるもの、たとえば面積、容積なども指す。
count : 数を数えること。なお現代英語における最重要単語の'account'はいわゆる勘定のこと、および考慮事由のこと。
calculate : 段階的な計算遂行
compute : 完全な解を算出すること、電磁的手段による計算。
mode : 計算の方式
format : 形式。
code :  情報の符号(化)。ビジネスにおける特定の規範掟のこと。
encode : 平文字(数字)や平文を暗号化すること。復号は'decode'である。
script : 記述された記号や文言
operate : 演算行為。機能すること。法人を経営すること。'operating system'や'operating profit'は現代英語の最重要ヴォキャブラリーである。
task : 一つひとつの演算。それらを目的別に組み合わせた業務が'job'である。また'work'は物理学でいう仕事のこと。
program : 計算手順のこと。行為手順、いわゆるカリキュラムのこと。この最適な形式(化)を'algorithm'ともいう。
perform : 'program'通り、図った通りに機能すること。

subtract : 引き算すること。
divide : 割り算すること。なお分子を元素レベルにまで分解する場合にも用いる。
product : 掛け算による積のこと。
insert : 代入すること。'substitute'も同義。
argument : 他所から引っぱってきて引用する数。また特定の論題、論争もさす。
constant : 定数、特定要因
variable : ひろく変数、変動要因を指す。
parameter : 限定(媒介)変数、一定範囲内の変動要因のこと。
coefficient : 係数
fraction : 分数
factor : 因数、要因
null : ゼロ。相当数値が無いこと。
default : 初期の数値。ビジネスでは債務返済の不能状態も指す。
finite : 有限であること。無限の状態は'infinite'である。
formula : 数式。
translate : 数式を変換すること。
equation : 等式、方程式。なお一次式は'first order equation',で二次式は'quadratic equation'という。
congruent : 合同な(式)
conform : 完全に一致すること。製品の技術仕様が要求に一致すること。
inequality : 不等式
regression : 或るバラつきデータが特定の方程式などに回帰すること。一定の仕様に回帰すること。
power : 累乗のこと。2乗であれば特に動詞'square'で済ませ、3乗ならば'cube'で済ませるが、それ以上のベキ乗となると 'to the power of 4' や 'to the power of 5'などという(ようである)。
function : 関数のこと。何らかの相関による機能も指す。
ratio : 比率のこと。例えば 'the sine of a triangular ratio' は「三角比」における正弦のこと
rate : 割合
proportion : 比例。反比例は'inverse'を用いる。
linear : 直線の、線形の…
curve : 曲線
angle : 角、その角度
dot : 点
plot : 点と座標を決定すること。
segment : 線分
trajectory : 軌跡、軌道。財貨の量や価格の変動経緯。
plane : 平面。平面図形は'plane figure'である。
solid : 立体。立体図形は'solid figure'である。
side : 多角形の辺
face : 多面体の面
node : 結節点のこと。ネットワークにおける交点(サイト)など。
parabola : 放物線
analogue : 連続変化、相似、類似
digital : 離散、数字表記
sequence : 数列。また数列のように秩序立った連続表記など。
matrix : 行列
position : 数字のケタ、位置

set : 集合
class : 特定要素の集合
element :  集合における或る要素
component : 集合を成す構成要素
assemble : 構成要素を組み合わせること。ハードウェアを組み上げること。
event : 事象
case : 場合
probability : 数学上の確率。なお可能性は'chance'や'possibility'で表す。
frequency : 事象が起こる頻度。また周波数もさす。
domain : 領域。特定の知識分野も指す。
zone :  特定の帯域、区画
adjacent : 隣接する~の意。
key :  或る問題に対する特定の解法のこと。暗号文を平文に換えるための鍵数字のこと。
solution : 数式の解。なお物質溶解の意味もある。
hypothesis : 仮説。
assume : 仮定を立てること。
hold : 数式が成立し適用できること。
coincide : 対応し一致すること。
deduce : 演繹すること。
induce : 帰納のこと。なお数学的帰納法の場合には、自然科学全般の現実への帰納とは異なり、あくまで論理の完結をさす。
reduce : 約分、通分すること。背理法は類義語の'reductio' 。なお化学では酸化に対する還元もさす。
differentiate : 微分すること。微分関数は'differential function'である。なお積分は'integrate'を用いる。
converge : 収束すること。ビジネスにて条件が一致する場合にも用いる。
demonstrate : 数式成立を証明すること。'prove'と同義。
contradict : 矛盾、論理相反
flow :  一連の連続処理
chart :  図表
order :  秩序
abstract : 知識を概括すること、されたもの
average : 平均値。なお、中央値は'median'である。
deviate : 偏差、バラつき、逸脱行為
meta :  秩序や概念において「ヨリ上位の…」。
term :  条件のこと。'terms and conditions' はビジネスの基本要件書のこと
protocol :  計算手順のこと、ビジネス取引規約のこと
outline : 概略すること、概略図
quote : 数値を他所から引用すること。'quotation'は商材の見積価格も指す。

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さはさりとて。
そもそも此度は 「英語は数学にも似ている」 とおいてはみたが、直観的に思い起こせば、むしろ概して似ていないようで(笑)

数学やソフトウェア/プログラムは、環境世界と公理と定理と計算規則が「予め提供されており」、それらの組み合わせによって計算効率化と正当化(証明)を探求していく、さらに暗号などに用いるイジワルな巨大演算を開発するなど ─ そんな贅沢なツールである。

一方で、英語などの言語の場合、何を誰がいつどこで行為を成したのか、いやそれどころか何を定義したのか(あるいはしていないのか)まで、いちいち遡ってグチャグチャと記す場合が多い。
つまり英語は数学よりも遥かに神経質な世界で、だからちょっと語順を置き変えただけで大抵の場合にはメッセージそのものが変わってしまう (とはいえ、中国語のように語順にズボラな言語もあるものの。)

…こんなふうに、ぱっと思い当たるだけでも、数学と英語はかなり性質が異なり、たとえばAIなどの技術にて、数学の仲間であろう論理記号を以て言語表現と折り合いをつけるということは物凄く大変なようである。


以上

謝辞

ここに提示の記事は、いずれも私自身の判断責任のもと編集・投稿したものです。

大半の投稿は学生など若年層向けを意図してやや平易な表現にて、通俗性は極力回避しつつ、論旨の明示性を重視しつつ書き綴りました。あわせてまた、社会人の皆様にお読み頂くことも想定しつつ、汎用性高い観念知識を相応に動員しながら記した積もりです。

私なりの思考着想によるささやかな閃きが、皆様の諸活動にて何らかの光源たり得れば、望外の喜びであります。

山本