2019/04/03

新卒社会人の皆さんへ (2019)

時代は、令和。
さぁ、新卒社会人の諸君!
自然物とハードウェアとソフトウェアと芸術とスポーツのために生きよう!
それらを採掘し採取してもいい、研究開発してもいい、製品設計してもいい、製造や部材調整にあたってもいい、複製や伝送に励んでもいい、そして、おのが肉体を直接ぶっつけてもいい、 ─ いずれにせよ、リアリティによるリアリズムに生きよう!

価値だの権利だの責任だのは、すべて抽象だ、しかも往々にして貸借と多数決に縛られた虚構でもある、虚構のみに生きてもつまらんぞ。


いまや時代は令和だ。
人物が、人脈が、裏事情が、本当のカネの動きは、本当の権力は…などと昭和末期のバカみたいな幻想譚に惑わされてはならぬ。
そんなものは結局は何にもならんかった ─ それどころか、大企業を次々と破綻させ、大災害には抗しきれず、中国共産党にカネを奪われ、いまやアメリカから尻を叩かれている、というのが平成の教訓だ。
君たちはそんな中を成長し、成人し、そしていまや令和の新局面に合わせて就職した。
それなのにバカを繰り返してどうすんだ?バカの清算はバカに任せておけばいいんだ。

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君たちは技量の人間になるんだ!
世界の需要に応じるだけじゃない、まだ見ぬ新たな需要をどんどん喚起し創造するんだ!
新たな食材や新たな鉱物や新たな貴金属や新たな機械や新たなソフトウェアや新たな知能を、顧客とともに、いや顧客に先んじて作り出すんだ!

なるほど、需要とは通貨ですよ、或いは電気ですよ、こんごはいよいよ暗号通貨ですよ、などと大局観を気取った言質もある。
しかし、こんなものは上っ面の方便だ。
あらゆる人間の需要心理は一人ひとり千差万別、そして常にかつ永遠に変動し続けるし、だいいち人間の生命活動にては常にさまざまな水分や食料や熱量こそが求められる ─ よって、人間の需要を通貨量や電荷量や電子暗号に一律換算出来るわけがない。

つまりだね、需要と供給はいついかなる時ところにおいても、何を媒介させようとも、完全には一致するわけがないんだよ。
だからこそエキサイティングだとは思わないかね?

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「一人前」という言葉がある。
一人前とは、自分の携わっている職能について自分自身で総覧化が出来、対外的に概説が出来ることをいう。
一方で、おのれの担当業務や製品についていつまで経っても他者の顔色を窺いながら恐る恐る語っている人間は、60歳であろうが80歳であろうが一人前ではない。

僕自身がおのれを一人前だと自覚したのは ─ メーカの営業時代にては、担当のシステム製品の基本技術を海外顧客向けに概説するにあたり、設計担当よりも僕の方が上手いと自覚したとき。
そして現在の高校生向けの教育であれば、入試英文の文法はもとより、英文にて論じられている学術コンテンツや語彙が珍妙であると指摘出来るようになったとき。
どちらも、数年程度の経験で可能になった。
つまり、ほとんどの仕事は数年も続けていれば一人前になれる。

じゃあ官公庁や企業のマネジメントは、と、文系ジジィはすぐに鼻息を荒げるが、でもね、ほとんどのマネジメントは一人前か半人前かという技量の次元ではなく、人間の性格とカネにかかる調整配分であり、だからこれは社外からの天下りでもあるいはアルバイトでも出来るんだ。
初めからこんなものばかり目指してもつまらんぞ。

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他人の顔色ばかり窺うな、他人の評価ばかりに拘るな、市場価値だの代表権だのとムキになるなよ。
客観はどこまでも誰かの何等かの客観であって、絶対の主軸など無い、そんなものは方程式も座標も適当なもんだ、そして、そんなディープラーニングや回帰計算のどこかにデタラメがあればどうせ全部デタラメなんだ!

さぁ、我々は敢えて冷淡な構えで待ち望んでいるぞ。
君たちが我々と肩を並べいつか追い抜き、まだ見ぬどこかへ好き放題に突入していく、そんな小憎らしいほどの新たな局面に、我々があぁ昔はこんなこと考えもつかなかったなぁと感嘆しつつもちょっとだけ嫉妬心に駆られて文句の一つも言ったろうかと思案しているような、そんな眩いほどの陽光の日々の到来を。


以上